「炎の曲:ヴェルディ/レクイエム」
      ◆ 伊豆フィル合唱団指揮/小屋敷 真 

 
ヴェルディが少年時代から敬愛してやまなかったイタリアの文豪、アレッサンドロ・マンゾーニの死(1873年5月22日)はヴェルディに深い悲しみをもたらしました。ヴェルディはマンゾーニとはじめてあったとき「それはあたかも神の前に出たようにひれ伏したいほどだった」と述べています。
 それだけに、マンゾーニの死を知ったときのヴェルディの嘆きは尋常ではなく、「ミラノで行われる葬儀に列席する元気すら失ってしまった」と語っています。しかし、それに続く書簡で「来年の一周忌にはミサを書いて捧げたいと思います」として、全力でレクイエムの作曲に取りかかることになります。
 このヴェルディが全身全霊をかけて作曲したレクイエムに伊豆フィル合唱団は2年の歳月をかけて挑みました。普通、大きな合唱団は大曲を1年で仕上げて本番を迎えるものですが、伊豆フィル合唱団は最初の1年は音取りに集中し、次の1年を音作りの時間に使いました。ヴェルディにふさわしい音作りをした後半1年はとても貴重なものでした。曲に対するメンバーの方々の真面目さと熱心な取り組みには私もよく励まされたものです。このような偉大な名曲を前にたじろぐことも数々ありましたが、私たちは常にヴェルディに対する謙虚さと畏敬の念をもって曲に向かってきたつもりです。
 今回の公演は伊東だけにとどまらず、三島支部、静岡支部の3か所の合唱団の合同になるというのも魅力的です。私はその3支部の練習にすべて付き合いましたが、最初は全く知らない者同士だったメンバーも今は同じ志をもった心の通じ合う仲間となりました。今、150人の合同コーラスが岩村マエストロの指揮の下、本番に向かっての最後の総仕上げに入っています。マエストロの指揮でめきめき上達していく合唱団の響きを聴いていると2年間のさまざまな思い出がよみがえり、胸が熱くなってきます。
 伊豆フィルハーモニー管弦楽団が総力をあげて企画した今回の大プロジェクト、オーケストラと合唱団を合わせて総勢250人がステージに乗るコンサート。演奏する者の心が一つになったヴェルレクの公演に是非足を運んでいただき、私達の心からの音楽を来ていただいた皆さんと共有できたらと思います。


                       (第31回定期演奏会に寄せて)

 「本当に楽しい2年でした・・・・」」
      
       ◆ 伊豆フィル合唱団・静岡地区委員長/仲戸川 知恵子

 音楽を仕事としておりますが、音楽が持つ力を今回ほど感じたことはありません。
 「伊豆フィルの15周年記念コンサートは、ヴェルディのレクイエムになったのよ。」と斉藤真知子さんから連絡を受けた私は、正直びっくりしました。合唱曲の中でも難易度の高いこの曲を果たして歌いこなせるのだろうか。同時に150名の合唱団員の参加を呼びかけることを知り、不安からの始まりでした。ですがその不安もすぐに消えたのです。三島の増島保子さんが、是非一緒に歌いましょうと名乗りを上げて下さったからでした。増島さんは、以前伊豆フィルの演奏を聴いて下さり、その音楽作りに共感して下さっていたのです。伊東の伊豆フィルから増島さんを通して三島の皆さんへと音楽の輪の第一波が広がった瞬間でした。増島さんの吹いた風に押され「静岡市の皆さんに声をかけてみます!」と第二波を放ったものの静岡チームの合唱立ち上げは、とても寂しいものでした。10人にも満たないメンバーから小屋敷先生のお人柄と指導力に惹かれ、徐々に徐々に仲間が集まり、半年してやっと合唱団と呼べる人数になりました。そして、伊豆フィルが積み上げてきた音楽が、伊東市を拠点に輪になりながらさらに広がり始めたのです。
 コンサートのポスターを見まして改めて15周年が経ったのだと感慨深くなりました。15年という月日は、私の体重とシワを増やしましたが伊豆フィルをこんなにも成長させてくれました。このオーケストラの名称決めから携わって来た私にとっては、この上もなく嬉しいことです。伊東市を拠点に音楽の輪を広げるという発足当時に目指しておりました思いが、こんなにも早く実現できたのです。音楽を共感する思いの輪の広がりは、時に、音よりも光よりも速く伝わるような気がしました。
 また、オーケストラがここまで継続、成長することが出来ましたのは演奏者だけでなく、育てる会の皆様、会場に足を運んで下さるお客様、伊東市という環境、その他にもたくさんの方々のご尽力があったからです。そして、支えて下さった方々がいたからこそ大きな、大きな輪になったのです。
 当時は、伊豆フィルで広がった音楽の輪からたくさんの人の輪が出来ましたことに感謝し、伊豆フィルが千代に八千代に続きますよう願って歌います。
 皆様、是非ヴェルディの音楽の輪の中に入りに来て下さい!

                       (第31回定期演奏会に寄せて)

 「原点に立ち返って」 
     ◆ 鈴木 健一:オーボエ (賀茂郡)

 伊豆フィルハーモニー管弦楽団で、オーボエ奏者として演奏していて、大切なものは何か考えてみました。"フィルハーモニー"という言葉が思い浮かびました。
 「よいハーモニーを創(つく)ろうという精神」と私は捉えています。オーケストラも合唱も、個人プレーではありません。楽器の音や個人の声が響き合って、はじめてハーモニーになります。ハーモニーは、曲の音程、音量(強弱)、タイミング、音色の組み合わせで生まれてきます。楽器(パート)は違っても、この5つの要素を調和させようという、相手を思いやる心を大切にしています。きれいなハーモニーをつくることができたならば、団員の宝になり、自信につながります。これは個人的なことですが、1年前にフランス製の中古楽器(マリゴ)にかえたことにより、曲の雰囲気を出すことができるようになってきました。今後は、曲に対してのイメージをもっと膨らませていきます。
 次は、伊豆フィル合唱団の「レクイエム」の練習を見学しての感想です。第一印象は、小屋敷真先生の指導が具体的で、的確でした。音程が低くなってしまったときは、息の循環を速くすれば改善されると歌って示されたのです。ほかのパートのアドバイスでも、私が個人的に声楽のレッスンを受けていると思わせるほど貴重な内容でした。それから合唱の練習に参加するのが楽しくなり、バスとして歌わせていただきました。そのうちに、バスをひとつにまとめていかなければという意識が芽生えてきました。小屋敷先生が「もっと巻き舌を!」と言ったら、「これでもか!」というほどRexと舌を巻きました。こうした"言葉のキャッチボール"が合唱の醍醐味です。オーケストラと合唱の練習に参加できたのは、妻の支えがあったからです。ありがとう!12月4日は伊東市観光会館、5日は三島市民文化会館でオーケストラと壮大な音楽を演奏します。ぜひお越しください。

                       (第31回定期演奏会に寄せて)

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伊豆フィルは、音楽を愛する心と“わくわくする心”を持ち続け、常に新しいよろこびを求める愛と調和を奏でることにより、伊豆を中心として地域文化の発展に寄与する事を目的としてます。

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