「若きソリストと共に」
     ◆ 土屋 美華:フルート (下田市)

 伊豆フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会に、いつも足を運んでくださる皆さま。本当にありがとうございます。今回の演奏会は5年ぶり5回目の下田公演。しかも、ソリストとして、下田市大賀茂出身の若きバイオリニスト、松村宏樹さんをお迎えし、これまた下田とつながりの深い、ロシアの大作曲家、チャイコフスキーの名曲の数々を演奏いたします。
 松村宏樹さんは、3歳よりバイオリンをはじめ、昨年桐朋学園大学院を修了してからは、フリーのバイオリニストとして今まさに世界に羽ばたこうとしている新鋭です。そして、幼き頃は私たち伊豆フィルの一員でもありました。
 夢に向かって故郷を離れ、それぞれの道を切り開こうと歩み出している宏樹さん世代の若者たちはたくさんいることでしょう。しかし夢に向かって躍進する若い力を、地元の私たちが目の当たりにする機会は、実は少ないのかもしれません。今回の演奏会は、そういった意味でも大変意味深い演奏会であるといえます。
 かつて、下田市民文化会館で行われた海外のオーケストラのコンサートに足を運んだことがあります。そのとき、最前列に幼い兄妹が座り、夢中で拍手をおくっていた姿が印象に残っています。その兄妹こそ、松村宏樹さんと、ビオラ奏者として音楽の道を志す、妹の早紀さんだったのです。
 幼き頃に親しんだホールで、地元のオーケストラとともに・・・。故郷へ錦を飾る松村宏樹さんの意気込みもさぞかしと察せられますが、一人の仲間から憧れの音楽家へと飛躍しようとする宏樹さんの演奏に触発され奮闘するわれわれ伊豆フィル団員の喜びもひろしおです。
 今回の演奏会は、高校生以下の子どもたちは無料となっており、開演前の「楽器体験コーナー」では、さまざまな楽器に直に触れることができます。音楽の力を子どもたちにも体いっぱいで味わってほしいと願っての企画です。小さな音楽家お心に憧れの灯が芽生えるかも・・・と願いながら。
 下田出身の若きソリストと伊豆フィルの共演。皆さま、ぜひ、コンサートにいらっしゃってください!


                       (第37回定期演奏会に寄せて)
 「熱狂的なフィナーレへ」
     ◆梅原 聖子:ヴァイオリン (伊東市)

 応援して下さる皆さまのおかげで、伊豆フィルは20年を迎えることができました。いつも温かい応援ありがとうございます。5月25日に下田で行われる定期演奏会で、バイオリンを独奏して下さる松村宏樹さんとバイオリン協奏曲について紹介したいと思います。
 彼はとても人懐っこい性格で年上の私にも気軽に話しかけてくれます。彼の少年時代は音楽のみではなく、スポーツも万能で肌はいつも良い色に焼けておりました。音楽と部活の両立で大変忙しそうにされていたのを覚えています。
 高校生になってから音楽大学の受験を決め、東京音楽大に進学。私の母校でもありますので、在学中の演奏会には何度か聴きに行かせてもらいました。
 すごいなと思ったのは大学の文化祭のオーケストラ。松村さんはディズニーが大好きでご自身が中心となり、全てディズニーの曲を演奏するという企画を立てて、大成功へと導きました。現在はフリーのバイオリニストとして活躍されています。
 このような松村さんが演奏して下さるチャイコフスキーのバイオリン協奏曲はベートーベン、メンデルスゾーン、ブラームスに並んで4大バイオリン協奏曲と言われるほど人気のある作品です。1878年春に作曲され、チャイコフスキー唯一のバイオリン協奏曲です。レオポルト・アウアーというバイオリニストはこの曲を「演奏不可能」と言い、初演を拒否したそうです。
 第1楽章の冒頭のバイオリンソロのメロディーは大変美しく、一度聴くと頭から離れない程です。カデンツァ(ソロが自由に弾く所)も聴きどころの一つ。第2楽章は愁いに満ちた美しい主題を演奏します。そして切れ目なく第3楽章へと進み、激しいリズムの主題が何度も出てきます。この後、ゆるやかな音楽になりますが、最後は華やかで熱狂的なフィナーレとなります。
 指揮は佐々木新平さん。とても真面目で爽やかな方です。情熱的なチャイコフスキーがどのように仕上がるのか、今からとても楽しみです。皆さま、ぜひ聴きにいらして下さい。

                       (第37回定期演奏会に寄せて)

 「チャイコフスキーはお好き?」 
      ◆ 山田 宏:クラリネット (伊東市)

 「ブラームスはお好き」の言葉にご記憶ありますでしょうか。F・サガン(フランスの作家、処女作「悲しみよこんにちは」)作の小説の題名で、女性主人公ポールが歳下の恋人シモンからコンサートの誘いをかけられた言葉です。私は「チャイコフスキーはお好き」ですか?と皆さまにお尋ねいたします。
 なぜかと言いますと、この定期演奏会で通算37回21年目に向け拍車をかけている全演目が、バレエ音楽「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」などを生みだした美旋律の人チャイコフスキー作曲だからです。クラシック音楽というと何か小難しい感じを受けますが、聴き方に決めごとなんてありません。絵画を見たままに感じるように音楽も自分流に受け止めればいいのです。
 バッハにはじりモーツァルト、ベートーベンらがつくった曲が今もって演奏されます。それらクラシック音楽は特別なものではありません。クラシックは古典と言い換えられます。いろいろな音楽が時代を超え演奏され歌われて受け継がれれば、ジャンルの境目などなく多くの人が今もなお高く評価する「古典」という称号を与えられるのです。
 私は県立伊東高生からはじめたクラリネット人生56年、伊豆フィル21年生、この演奏を最後に若い団員の皆さんに受けわたす感傷のひとときに浸ろうとしています。どうぞ下田ホールの繊細でたおやかな音響に身も心もひらいて名曲をご堪能なさって下さい。

                       (第37回定期演奏会に寄せて)
 
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伊豆フィルハーモニー管弦楽団


伊豆フィルは、音楽を愛する心と“わくわくする心”を持ち続け、常に新しいよろこびを求める愛と調和を奏でることにより、伊豆を中心として地域文化の発展に寄与する事を目的としてます。

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