「すてきでぜいたくな時間」
     ◆ 芝原 昇平:ヴァイオリン

 
私は前回の演奏会から参加しています。オケ経験がほとんどなかった私ですが、最近では練習にも慣れ、楽しんで合奏しています。
 合奏練習は最も身近に伊豆フィルの演奏を聴く機会です。その時間、私は演奏者の一人であると同時に聴衆の一人になります。
 指揮の在り方、曲の解釈の在り方、一人一人の意識の在り方によって、音の響きがそれまでとはまったく違ったものになる瞬間はとてもすてきでぜいたくな時間です。
 特に今回演奏する楽曲群は、非常に魅力的な物語性を持っています。
 鈴木彰久先生の指揮によって、めくるめくシーンに思いをはせながら一つ一つ曲をつくり上げていく作業はとても楽しいです。
 本公演では「シェヘラザード」や「中央アジアの平原にて」「ダッタン人の踊り」など、魅力的で魅惑的な楽曲たちを皆さんと共有できればと思います。

                       (第39回定期演奏会に寄せて)
 「団と私をつないだ曲」
     ◆倉岡 大輔:チューバ

 「入団します。そのかわり、今度の演奏会でシェヘラザードをやりましょう」
 エキストラとして参加した第35回定期の打ち上げの席でのこと。入団のお誘いを受けて、えんえつにも出した条件はリムスキー・コルサコフの交響組曲「シェヘラザード」を演奏会で取り上げることでした。入団から2年、ついに約束が果たされることとなりました。
 シェヘラザードとは千夜一夜物語の語り部の女性のことです。物語の簡単な粗筋は次のようなもの。
 シャリアール王は妻の不貞に怒り、女性不信のあまり、一夜を共にした若い娘たちを次々に処刑してしまいます。この事態に大臣の娘シェヘラザードが名乗り出ます。夜とぎの後、彼女が語る話の面白さに一夜一夜と処刑は日延べされ、王はついには改心し賢君になったということです。
 そんなお話が壮大な音楽絵巻に仕立てられ、オーケストラを聴く喜びを存分に味わえるショウピースとなっています。幼い頃に耳にして以来、エキゾチックな曲想に想像をかき立てられ、目まぐるしく変化する魅力的な旋律の数々に憧れてきました。だから、奏者としてこの曲に接することができるのは本当にうれしいです。
 聴き所は各パートのソロです(特にシェヘラザードを表すバイオリン!)。冒頭、チューバとトロンボーンにシャリアール王の主題が与えられているのも大きなポイントです。作曲者が元海軍士官であるためか、海を漂うような表現にも興味をひかれます。
 いざ、観客の皆さんと一緒にアラビアンナイトの世界へ。

                       (第39回定期演奏会に寄せて)

 「夢のシェヘラザード」 
      ◆ 鈴木 麻美:ヴァイオリン (コンサートマスター)

 今回の伊豆フィルメーン曲「シェヘラザード」は、「アラジンと魔法のランプ」や「シンドバットの冒険」などで有名な千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)の語り手である、伝説の王妃シェヘラザードを主題にした曲です。
 この曲は全楽章にコンサートマスターのソロがあり、非常に華やかでかつ有名な曲であるため、演奏候補にはよく挙がっているのですが、伊豆フィルにとってはいわく付き。何度挙がってもなかなか実現されませんでした。
 ではそれはなぜか?
 正解は…コンマスである私に色気がなかったから(笑)。
 シェヘラザードは、残酷な王に殺されぬよう、緩急をつえながら楽しい物語を夜ごとに聞かせ、また徐々に王の冷え切った心を解かしていくという、とても聡明でセクシーな女性ですから、百戦錬磨のおば、いやお姉さま(笑)・お兄さま方に「麻美ちゃんにはまだ無理かなぁ〜?」と言われても仕方がなかったのです。
 しかしついに、ついに!夢のシェヘラザードを弾けるチャンスが巡ってまいりました。アラ○○(ご想像にお任せ致します)になった私に、ようやく、団の皆さんのGOサインが出たのでありマス。
 団の皆さんと私がただ単に歳を取っただけか、経験を重ねて魅力的な音が出せるようになったのか、現在進行形の伊豆フィルを確認してみたいそこのあなた!
 6月7日には、アリババのように『ひらけ、ゴマ!』と伊東市観光会館の扉を開けて、ぜひ聴きにいらしてくださいね♪

                       (第39回定期演奏会に寄せて)
 
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