「15周年への期待感を高める、感じのいい演奏会だった」 
◆ 音楽評論家・伊豆フィルアドヴァイザー/近藤憲一

 伊豆フィルの第29回定期演奏会を聴いた。温かさのある感じのいいコンサートであった。プログラムは、スッペの≪詩人と農夫≫序曲、ベートーヴェンの≪ピアノ協奏曲第5番「皇帝」≫、ミヨーのバレエ音楽≪屋根の上の牛≫、最後がチャイコフスキーの幻想序曲≪ロメオとジュリエット≫と、意欲に満ちた盛り沢山な内容。指揮は田久保裕一。
 元気溌剌と演奏された≪詩人と農夫≫に続く杉谷昭子独特の≪皇帝≫は、古典派ピアノ音楽の演奏に大きな実績を残してきた杉谷が、楽員たちと心を通わせながら、ベートーヴェンの"親しく会話する"音楽の魅力を誠実に奏で、ベテランの持ち味を発揮した。
 後半の1曲目、アマオケが取り上げるのは珍しいミヨーのバレエ音楽で、伊豆フィルは好ましい挑戦ぶりを示した。2つの調整が混在して進み、聴き手を不思議な興奮で掻き立てる、演奏もかなり難しい音楽を楽しく聴かせた。トリの≪ロメオとジュリエット≫では、持てる力を全開させて、ロマン溢れる美しい旋律が次々と登場する大曲をドラマティックに歌い上げ、聴かせ上手の田久保の指揮によく応えていたのも印象的だった。
 伊豆フィルは来年いよいよ15周年。オーケストラとしての課題はまだ少なからず抱えているが、音楽に対する敬愛の心を失わず、音楽する喜びを誠実な演奏で伝えながら、なお一層市民に愛され支持されるオーケストラとして発展してほしいと念じてやまない。

                  〜第29回定期演奏会を聴いて〜
 
 「伊豆フィルの心意気が生んだ≪運命&未完成≫の大熱演!」
◆ 音楽評論家・伊豆フィルアドヴァイザー/近藤憲一

 1995年、伊豆半島初のオーケストラとして産声を上げた「伊豆フィルハーモニー管弦楽団」。
 現在も伊豆地方唯一のオーケストラとして奮闘している姿を見ていると、楽員とスタッフ、彼らをサポートする多くの聴衆の情熱と努力に頭を下げたくなる。昨今の不況下で、伊豆フィルが創立15周年を迎えたことは、慶事と称えられてしかるべきだ。
 6月6日、本拠・伊東市観光会館での通算30回目の定期演奏会の日は、またも好天(伊豆フィルの公演日がいつも爽やかな天気なのは、"オーケストラの神様"の配慮?)。指揮は、伊豆フィル初振りの小屋敷真。プログラムがすごかった。≪未完成交響曲≫と≪運命交響曲≫という、日本では戦前から"二大交響曲"なのだ(1曲目に、ウェーバーの歌劇≪オリアンテ≫序曲)。僕は聴く前、少しばかり危惧していた。誰もが大好きでよく知っている不滅の名曲に、伊豆フィルが初手合わせの指揮者と挑戦する。生ではめったに聴けない≪運命・未完成≫を楽しみに集まってきたに違いない満員の聴衆を、果たして満足させられるのか。「これは快挙になるか、暴挙になるか?」といった気分だった。
 先にお断りしておくと、僕がアマオケを聴くとき、技術面をことさら云々するのは無意味だと思っている(プロより上手なはずないから)。肝心なのは、アマオケらしく本番に全精力を注ぎ、ウィーン・フィルと同じ楽譜を誠実に弾いて、≪未完成&運命≫の神髄と魅力を聴衆に満喫してもらえるかだ。その結果は?帰途に着く聴衆の表情が証明していた、「とても良い演奏だった!」ことを。破綻寸前の箇所もなくはなかったが、指揮者と一体になった楽員たちの意欲と情熱が、聴きなじんだ名曲のすばらしさを再認識させてくれた。
 次回の定期(11月)のヴェルディの超大作≪レクイエム≫も、"アマオケの鑑"のような演奏を聴かせてくれることだろう。そう思うだけでも、もう心が熱くなってくる。

                  〜第30回定期演奏会を聴いて〜

 「ブラボー!伊豆フィル・合唱団〜創立十五周年記念演奏会を聴いて」 
◆ 元N響演奏企画部長・伊豆フィルアドヴァイザー/竹森 道夫

 伊東市に本拠を置くアマチュア・オーケストラ、伊豆フィルハーモニー管弦楽団が二年余りをかけて行ってきた記念コンサートはヴェルディ作曲の「レクイエム」でした(四日伊東市観光会館、五日三島文化会館)。プロでも身構える規模の大きく演奏困難な曲・・・無謀な挑戦ではないか?そんな不安を霧散させる見事な演奏でした。関係された方は、幸せな達成感に包まれているはずです。
 この曲には四人の優れたオペラ歌手が必要で、今回海外から二人招かれたのも大きな魅力。帰り道、偶然話した老婦人は「三島から合唱に参加。長年いろんな合唱団で歌ってきたがイタリアの歌手、素晴らしいオーケストラと歌えるなんて夢のようです。」
 二期会所属の日本人歌手マネージャーは「伊豆に素晴らしい団体があった」と同僚に話したと聞きました。
 百二十人を目標にした合唱団は、広く三島や静岡にも呼びかけられ百四十九名。七十六名のオーケストラの各所に、プロの音楽家が賛助出演。三年に渡る準備、狭い伊東の会場では張り出し舞台設置など、口には尽くせない苦労と出費があったと聞きます。
 指揮者・岩村力氏とトレーナー陣のモチベーションを切らさない、的確な指導も必須だった。アマチュアの<個人と仲間の楽しみ>もオーケストラとなれば、周囲の理解や応援なくして成立しない。<もうひとつの時間>に打ち込む姿は、家族や近隣の人たちとの会話にキッカケを生み、演奏会では、知人の<もうひとつの顔>も発見できる・・・。
 音楽には本来<人とひとを結びつける>機能がある。希薄になったひとの交わり、コミュニティーの魅力をつくる力が。
 伊豆フィルの次の十五年のテーマかも知れません。


                  〜第31回定期演奏会を聴いて〜
 
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伊豆フィルは、音楽を愛する心と“わくわくする心”を持ち続け、常に新しいよろこびを求める愛と調和を奏でることにより、伊豆を中心として地域文化の発展に寄与する事を目的としてます。

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